❖初期~中等度のムシ歯
ムシ歯部分だけを取り除き、健康な歯質は、ほとんど削る必要はありません。ムシ歯を取り除いた後に、健康な歯の厚みがたくさん残るようであれば、当日のうちにつめ物をします。当院では、すべての患者さんに、この治療法を採用しています。
①腐っている部分を削る分には、痛みはないため、麻酔は不要(ただし、患者さんが希望される場合には、麻酔を行います)。
②ムシ歯染め出し液(上画像の赤い染色部分)と50倍大CCDカメラを用いて、取り残しがないように確実にムシ歯を除去。
③ムシ歯を取り除いた部分には、その日のうちに、緊密に、つめ物を接着させます。当日から強く噛んでも問題ありません。所要時間は約20~30分程度。
ムシ歯部分だけを取り除いて、つめる治療法には、以下のメリットがあります。
❉余計な歯質をほとんど削らないで済むため、自然な嚙み合わせ(➝)を保存しやすい。
❉ダイレクトにつめ込んでゆくため、歯とつめ物の間に隙間ができない。
❉自然な見ばえ
❉強い接着材料を採用するため、ほとんどはずれることがない。
❉通院が1回(前歯の目立つ部位の場合には、2回になることがあります)。
❉治療後、ムシ歯を再発しにくい。
尚、磨耗によりエナメル質が著しくすり減っている歯、ムシ歯が中等度以上に進行して、健康な歯の厚みを確保できない場合には、歯科医師とよく相談して、治療をすすめる必要があります。
❖中等度以上に進行したムシ歯の治療
①神経に至るまで大きく進行したムシ歯の場合には、「神経の治療」が必要です。
②大きく進行したムシ歯の治療には、麻酔が必要です。
③ゆっくりと麻酔液を入れてゆく等の手技を駆使すれば、ほとんど痛みを感じることはありません。
大きく進行したムシ歯(左)とムシ歯を取り除いた状態(右:神経までムシ歯が進行)。